スリップしないようにするためには

バイクがスリップする原因

バイクは車に比べてスリップしやすいが、それはバイクのタイヤが2つしかないことが大きな理由だ。
タイヤは走行する路面と常に接しているが、この接地面を「トレッド」という。
このわずかな面積しかないトレッドによって、常に回転するタイヤの推進力の助けもありバイク全体が支えられているのだ。
そのためトレッドがさらに小さくなると、タイヤは回転してさらに前に進もうとするのにグリップする地面の取っ掛かりがなくなってしまうため、容易にスリップするという仕組みである。

バイクがスリップする原因はそれだけではない。
雪が積もったり道路が凍結したりした時にスリップしやすいのは言うまでもないし、雨が降った時も同様だ。
要は、タイヤが地面をグリップする力が弱ってしまうのが一番の原因なのである。
したがって、急な速度変化も危険である。

あと気をつけておきたいのが、タイヤのメンテナンスだ。
タイヤの空気圧が低下していたり溝が摩耗していたりすると、グリップ力が落ちるため通常よりスリップしやすくなる。

スリップしない対策

スリップしない対策として、まず日ごろから心がけておきたいのがタイヤのメンテナンスだ。
とはいっても、最近のタイヤはどれも高性能なのでそう簡単にスリップすることはない。
ただ、それを過信して日常点検まで怠ることのないようにしたい。
バイクに乗る前はタイヤに異常がないかを必ずチェックし、空気圧が低下する前にこまめに補充するようにしよう。

どんなに高性能のタイヤでも、ずっと走り続けると摩耗により溝がなくなってしまう。
溝が摩耗するだけでなく、表面にヒビ割れが生じることもあるので注意したい。
タイヤにはスリップサインがあるので、日ごろから点検を怠らなければ交換時期を逃す心配はないだろう。
それでも3~4年も同じタイヤを履き続けたら、新しいものに交換した方がよい。

ちなみに、タイヤは5,000km走行するたびに1mm摩耗すると言われている。
走行距離に換算すれば、2万5,000~3万kmがタイヤの交換時期の目安になる。

日ごろの走行でできる対策は、スリップしそうな場所をなるべく避けることだ。
たとえば、マンホールのふたや側溝のグレーチングなどの金属でできているポイントを走る時には要注意である。
雨などで濡れているとますますスリップしやすいので、なるべく走らないようにしよう。
横断歩道や停止位置の白線も同様だ。

それでもやむを得なく上記のスリップしやすいポイントを走る場合は、その瞬間に余計なハンドルやブレーキ操作をなるべくしないよう努めることだ。
体重移動もせず、素早く通過することをおすすめする。
いずれにせよ、路面状況に合わせて最適な運転を心がけることを日ごろから気をつけておきたい。